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■女優・曽我町子さんインタビュー再録
 
■御多福会スペシャルインタビュー
ゴッド・イグアナ母ちゃん、15歳上娘の為に立つ!

  古今東西、女優が星の数ほどいたとしても、この女性(ひと)ほどチビッコ達に喜ばれ怖がられ、そして愛されてきた方も稀有だろう。オバQ、サイボーグ007、ミクロイド・マメゾウ、魔女ベルバラ、バンドーラ、ヘドリアン女王…。その知名度の高さは国境を越え、演じるキャラクターは世界中の子ども達を魅了し続ける。曽我町子。世界で一番、子ども達のハートを釘づけにした女優である。

聞き手:奥様虹です&御多福会
インタビュー時期:1997年4月
―――曽我さんが「レインボーマン」にご出演なさったのは第4クールのサイボーグ軍団編からなのですが・・・。ちなみに曽我さんがお出になってから平均視聴率が27%と上り調子になってきたそうですよ。
曽我:まあ、そう!(笑)ぜんぜん知らなかった。・・・あの番組に私が出演するようになったのはね、魔女(イグアナ)役で出てらした塩沢ときさんが老婆になるシーンに原因があるの。“ドンピシャ”って付けマツゲを付けるゴムのりがあるんだけど、それを膚につけてシワを作るのよ。その上にファンデーションを塗るんだけど・・・それで塩沢さんは気が滅入って「あのメイクはイヤ。もうクソ婆ァになるのはイヤ。もう(番組を)降ります」ってことになっちゃったの。それで後日スタッフからの電話で、「実は塩沢さんが降番された後の魔女役をお願いしたいんですけど」って話があってね。それまで私は子ども番組ではオバQとか善い役しか演ったことがなくて、悪役を演りたくて演りたくて仕方がなかったのね。大人向けのドラマではオールドミスの憎まれ役や悪女役が多かったんだけど、子ども番組ではイメージを大切にしなければならないので悪役は演らないでおこうと決めていたの。だけど塩沢さんが(番組を)降りるんだったら「面白そうだから(魔女役を)やらせて」って(スタッフに)お願いしたの。ものの捉え方次第で結構面白く演れそうだから。その時の監督さん(六鹿英雄氏)に自分の役づくりについてお手紙したの。

山田健さんはこれまでも子ども番組でC調にやる人だったからお手紙しなかったんだけど、六鹿さんには、「ゴッド・イグアナは、こんな性格で、こんな考えをして・・・」なんて書いた演技プランを渡した記憶があるわ。(六鹿氏は)すごく喜んでくれてね「曽我ちゃん、このシーンは例えばシェークスピアのあの作品のあの場面を想像してやっちゃおうよ」なんて言ってくれたわ。だけど後で(本放送を)観るとぜんぜんそんな風には見えないのね(笑)。ただ、気持ちの上で「昔風の新劇をやっているんだ」というつもりで、監督と盛り上がって演っちゃったわね。だから塩沢さんに「どうしてこんなに面白い役を降りちゃうの?」って訊いたりしたけど。ただ出番待ちの時、スタジオの隅でお婆ちゃんの気持ちになって背中が丸くなっている事にふと気がついて、「塩沢さんの気持ち、判るわ〜」って思ったの。撮影が終わってシワのメイクを落とすでしょ?そうするとシワがなかなか消えないのよ! 「これはヤバイぞ、シワが残るぞ」って心配になって、私は生まれて初めて卵で(顔を)パックしたのよ。(苦笑)でさ、死ね死ね団の団員が出てくると私、なぜかすごく嬉しくなるのよ(笑)。「死ね死ね団」という名前が大好きだったの。
―――死ね死ね団のテーマソングもインパクトありましたよね。現在はカラオケのメニューにもあるそうですよ。
曽我:へ〜、そうなの?(笑)でさ、ミスターK(役の)平田(昭彦)さんと待ち時間セットで「死ね死ね団ってさ、面白いわよね〜」なんて二人でケラケラ笑って盛り上がってたわ。ゴッド・イグアナは私が魔女を演じた最初の役だからね。
―――失礼ながら曽我さんがゴッド・イグアナを演じられたころのお歳を算出しましたら、当時30歳でした(笑)お若いお母さん役でしたよね。
曽我:そうよ〜(笑)塩沢さんのお母さんの役なのに、私の方が15歳も年下だったんだから。それから私、衣装にすごく凝る方だから、係の人に(ゴッド・イグアナの)マントだとかいろいろうるさく注文つけたと思う。「デンジマン」「サンバルカン」「スピルバン」でもデッサンをもとにメイクして、それを写真に撮って東映に送ったりして。メイク係の人より長く経験している分(メイクも)自分でキッチリやっちゃったと思うわ。
―――衣装、メイクの面でもまったく妥協されなかったんですね。
曽我:そう!「デンジマン」のヘドリアン女王は、オドロオドロしく演ろうと心掛けたわね。反面「スピルバン」のパンドラのときは、大人にも(女王の)怖さが伝わる笑顔をわざと全面に出したの。そしたらある子どもに「今度のパンドラは、笑ってばかりでぜんぜん怖くないや!」って言われたの。だから「貴方が大人になったとき、いつも笑っていて目が怖い人には気をつけた方がいいわよ〜」。って、言ってあげたの(笑)。
―――それは結構深いものがありますよね〜。
曽我:外見で凄味を感じるのは大人だけだから、子どもにはもっと単刀直入にインパクトのなる凄味ある笑いの方がいいみたいね。子どもには理屈は必要ない!・・・それはそうとパンドラの衣装、綺麗でしょ? メイクは天の川をイメージしたものなのよ。。
―――パンドラといえば、曽我さん。最終回で怪人のコスチュームでロケーションにも参加なさいましたね。覚えていらっしゃいますか?
曽我:覚えているわよ〜(笑)。私も監督に「あんな衣装、イヤだ!」って言ったのよ。だってどうせなら綺麗に死にたいじゃない?(爆笑)
―――ゴッド・イグアナは別格として、東映戦隊シリーズ、メタルヒーローシリーズの曽我さん演じる悪役は、宮殿内にいる事が多かったですから、パンドラのあのヒトデ態の衣装にはビックリしました(笑)。
曽我:ヘドリアン女王なんかは、プライドを持って死んでいったじゃない? ところがパンドラは普段を綺麗な衣装で演じていた分、あのラストにはガッカリさせられたわ。作者(脚本家)の悪口を言っては申し訳ないけど、イメージが貧困よね。「パワーレンジャー(日本語版)」のラストでも、私、作者とすごいケンカをしたんだから!
―――脚本に納得しかねる部分があったという事ですか?
曽我:そう!その日はもうアフレコもストップ。要するにリタの唱える呪文をね、「イ・ト・シ・ノ・ワ・ガ・ム・ス・コ」(=愛しのわが息子)を「コ・ス・ム・ガ・ワ・ノ・シ・ト・イ」なんて逆さから読ませるずいぶん昔のコントみたいなつまらない台詞にしたりするのよ。「そんな事をしたら私自身、演技がダメになる。そういう終わり方だったら私はもう(この役を)降りる」って、電話で脚本家に言ったの。結局「曽我さんがいいと思うようにやってください」という返事をもらったんだけど。私は「パワーレンジャー」がもっと視聴率を取れるように、また、ファンをがっかりさせないためにも素敵な終わり方にしたかっただけなの。
―――キャストとスタッフが意見をぶつけ合って、よりいっそうファンを魅了する番組づくりがなされるんですね。・・・魔女リタの原点「ジュウレンジャー」のバンドーラは、「サンバルカン」のときのヘドリアン女王のハードさとは対照的にずいぶんアットホームな感じでしたが?
曽我:バンドーラはね、ユニークにしようしようと特に心掛けたからね(笑)。主役の5人より目立っちゃって、回を追うごとにドンドン台詞をカットされて出番が少なくなったけど、面白くて大好きなキャラクターの一つね。
―――すみません。再び「レインボーマン」のお話に戻らせていただきます。主役の水谷邦久さん、ミスターK役の平田昭彦さんたち、ご共演の方々の印象をうかがいたいのですが?
曽我:え〜と、水谷さんはね、メイクを落とした後、帰る方向が同じだったので、私のクルマでときどき渋谷まで送っていったわ。当時まだ彼も新人さんで、毎日がレインボーマン一色って感じで、すごく張り切っていて演技上の悩みを話してくれたわ。内容までは覚えていないけど。彼はレインボーマンの変身前と変身後を両方演っていたんだけど、それはね、他に代わりがいなかったからなの(笑)。いまはJACかなんかが、すごいアクションやっているけど、「レインボーマン」では(諸事情から)そういうわけにはいかなかったのよ。・・・平田さんはね、優しい人だった。奥さんの久我美子さんの(出演)作品についていろいろ話をして盛り上がったりしたわ。平田さんみたいに悪役を演る人は(実生活で)とてもいい人が多いと思ったわ。でもね、細かく何を話したかは、申し訳ないけどあまり覚えてないの。
―――そうですか。平田さんはもう10数年前におしくも亡くなられましたね。・・・次にファンも多い「5年3組魔法組」のベルバラについてお訊かせください。
曽我:ベルバラは私自身すごく乗り気で、私の思っているものを出せるだけ全部出そうと思ったわ。普通子ども番組の場合、子ども(子役)が出てくるとが出てくると、たいてい大人は子どもに喰われちゃうんだけど、私が決して(子役に)喰われないのは、子どもと同じレベルになっちゃうからなの(爆笑)。仕事が終わってから、平気で子どもたちとケンカしたもの。「このガンモ!こん畜生!」とか言って追いかけまわしたりしてね(笑)。撮影中走るシーンがあったときも、私より(子どもたちは)速く走っちゃダメなのに、どの子もムキになってすごく速く走るのよ。あの番組はとにかくウンと遊ばせてもらったわ。いま、ビデオで観ても面白いしね!(笑)
―――エンディング・テーマも曽我さんご自身が唄われましたものね。
曽我:♪.マジョ、マジョ、マジョマジョ、あたしゃ魔女だぁ〜(と唄い出す)・・・そして最後にバラをくわえて「また次週も(この番組で)会おうね」っていう感じを出したの。実はこのエンディングも私がホン(台本)を変えちゃったんだけどね(笑)。視聴率もずっと2桁で、終わりのころにはグッと上がってきて、終了するのがもったいなかったわね。
―――曽我さんの熱演が光る名作の一つだと思います(笑)。それでは最後に全国の曽我町子さんファンへのメッセージをお願いします。
曽我:頑張るからね〜!(爆笑)
―――お店(アンティークショップ・ステラ)の宣伝もどうぞ!(笑)
曽我:月曜日以外は、たいていお店に居ると思うので遊びに来てね。気が向いたら600円のリングでもいいから買っていってちょうだい(笑)。いままで自分を痛めつけるように生きてきたから、これからはもう少し前向きに自分を可愛がりながら演っていきますので、これからも応援してください(笑)。
 
女優・曽我町子さんのご冥福をお祈り致します。